2010年11月28日日曜日

iPhoneのSafariでもDelicious公式ブックマークレットが使えた

DeliciousのInstall Bookmarklets on Delicousで紹介されているSafari用のブックマークレットはiPhoneのSafariでも使えた。
以下、自分のやった方法。
  1. まずPCでInstall Bookmarklets on DelicousのSafariの項の"Bookmark on Delicious"を右クリックし「リンク先のURLをコピー」。
  2. そのURLをEvernoteの新規ノートにペースト。同期を忘れずに。
  3. ここからiPhone。iPhoneでEvernoteを開き、そのURLをコピー。
  4. Safariを立ち上げ、適当なwebページを(Safariに)ブックマーク。
  5. ブックマークの編集からそのブックマークのURLを書き換える。さっきコピーしたブックマークレットのURLを上書きペースト。
  6. ブックマークの名前も「Bookmark on Delicious」とか分かりやすい名前に変更。
これで気になったページがあったら、ブックマークから「Bookmark on Delicious」を呼び出しタップ。新しいタブにDeliciousのブックマーク画面が開きます。
別にEvernoteを使わなくても、コピーしたURLをメールでiPhoneに送るなりしてもいいと思います(最初っからそっち書けよ)

2010年11月15日月曜日

「はやぶさ」のカメラ

個人的に気になって調べたことのメモ。間違ってたら教えてください。

はやぶさのカメラは全部でいくつ?どれが何を撮影したのか?

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まず、カメラは以下の4つ。

  • 望遠光学航法カメラ(ONC-T/AMICA)
  • 広角光学航法カメラ1(ONC-W1)
  • 広角光学航法カメラ2(ONC-W2)
  • スタートラッカー(STT)

ONCは「オプティカルナビゲーションカメラ(光学航法カメラ)」の略で、イトカワとの相対距離や相対速度を計測し、「はやぶさ」を誘導するのに用いられた。

1.望遠光学航法カメラ ONC-T/AMICA

ナビゲーションカメラであり、科学観測カメラとしても用いられた。「はやぶさ」はそもそも工学実験機としての色合いが強いMUSESシリーズの探査機であるため、理学観測専用のカメラは積まれていなかった(M-Vロケットの打上げ能力に依存する問題でもある)。

ナビゲーション時の名称はONC-T(望遠光学航法カメラ)。TはおそらくTeleのT。狭視型光学航法カメラとも。

科学観測時の名称はAMICA(アミカ・小惑星多色分光カメラ)。

AMICAとして使われるときは、8つの回転式フィルター(7バンドの色フィルタと偏光子)を使い分け、イトカワを分光観測することが可能。

イトカワの画像を2000枚以上撮像し、地形のマッピングや、表層の色観測、着陸地点の選定などに使用された。

以下代表的な画像。

0519earth_bvw
↑2004年5月の地球スイングバイの直前に撮影された地球。単色フィルタ3枚合成でカラー化されている。

ONC-T地球
↑2004年5月19日の地球スイングバイの際に撮影された画像。午後12時30分前後に約5分毎に撮影された画像のアニメーション。台風2号、3号が写っている。

ONC-Tイトカワ2
↑おそらく最もよく見る小惑星イトカワの画像。「らっこ」の加工がなされたのもこの画像。

ONC-Tイトカワ
↑望遠カメラとしての本領発揮。イトカワ表層の拡大画像。

ちなみに搭載された位置は、はやぶさを正面から見たとき、探査機底面の、サンプラーホーンの左側・ミネルバの前方辺りのはず。

2.広角光学航法カメラ1 ONC-W1

噛みそうな名前のカメラその1。WはおそらくWideのW。モノクロ撮影。

イトカワとの距離測定に使用された他、フラッシュランプとの同期撮影が可能で、タッチダウン時にターゲットマーカーを撮影。

以下代表的な画像。

W1_2_2
↑地球スイングバイ時、2004年5月19日の午前11時頃に撮影された7枚の画像のアニメーション。広角カメラなので、望遠カメラで撮影したものより対象は小さく写る。

targetmarker
↑2005年11月9日に行われた降下試験時に撮影された画像。白く光っているのが投下されたターゲットマーカー(1つ目)。このターゲットマーカーはイトカワへは到達しなかった。

hayachallenge_10_1 ↑2005年11月19,20日に実施された第1回タッチダウンの際の画像。11月20日午前5時33分、高度32m付近で撮影された降下中のターゲットマーカー(2つ目。黒丸内)。88万人の署名入り。

hayachallenge_14
↑2005年11月26日に実施された第2回タッチダウンの際の画像。午前6時24分撮影。はやぶさの影の左上にターゲットマーカー(第1回タッチダウン時に投下したもの)。第2回タッチダウンでは、新たなターゲットマーカーは投下されなかった。また、ターゲットマーカーを使用した姿勢制御も行われなかった。

搭載された位置は、はやぶさを正面から見たとき、探査機底面の右奥、障害物センサーと化学スラスタの間、のはず。

3.広角光学航法カメラ2 ONC-W2

噛みそうな名前のカメラその2。モノクロ撮影。

主な機能はW1と同じだが、スタートラッカーの予備として考えられていた(W1も?)。

以下代表的な画像。

w2スイングバイ3
↑地球スイングバイ後の2005年5月19日、20時~深夜0時にかけて撮影された3枚の画像。だんだんと地球が遠ざかっていく。

lastshot
↑言わずと知れたラストショット。

img01
↑ラストショットのスミア除去版。

ONC-W2は、スタートラッカーの予備としての役割も帯びていたため、暗い星も写るように明るめにレンズが作られており、地球のような明るい天体を撮影するには不向きで、スミアが発生してしまう。イトカワ観測時には、スミアのみの画像を通常画像の直後に撮影して減算処理することで対応していたが(はやぶさには画像処理回路が搭載されている)、これははやぶさの姿勢が安定していなければ不可能であるため、ラストショットはスミアが乗った状態でダウンリンクされた。それをAMICAチームが見事に処理したものが、スミア除去版の画像である。こっちの画像ももっと評価されるべき!

搭載位置は、はやぶさを正面から見たとき、再突入カプセルの右横のはず。右側面の前方のはず。

以上3つの光学航法カメラはイトカワ離脱後その役目を終え、節電のためヒーターを切っていたので、ラストショットのために再起動させたときは動くかどうか不安があったそうだ。

4.スタートラッカー(STT)

星姿勢計、スタートラッカー・STT(STar Tracker)。星を撮影することで探査機の現在の姿勢を計測する装置。

以下代表的な画像。

itokawa
↑はやぶさが初めて捉えたイトカワ。背景の恒星と違い、日に日に移動していることがわかる。

20091126-1126_b
45385542
↑2009年11月12日に撮影された火星としし座。中央のひときわ明るい星が火星。下はしし座をわかりやすく加工したもの。

STT_MOONandEARTH
↑2010年5月12日、帰還を目前に控えたはやぶさが捉えた地球と月。一番明るく、ブルーミングを起こしているのが地球。その左にあるのが月。

搭載位置は、はやぶさを正面から見たとき、再突入カプセルの上、探査機前面のほぼ中央のはず。

※搭載位置に関しては模型などを参考にしているので、実際と異なる可能性あり。

いずれの画像も著作権はJAXA/ISASに帰属します。

2010年11月1日月曜日

地球深部探査船「ちきゅう」カフェ動画の補完エントリ

9月25日に、講師にJAMSTECの倉本真一さんをお迎えした地球深部探査船「ちきゅう」のサイエンスカフェが三鷹で行われ、そのスタッフ(というかファシリテーターその2)をして参りました。

Youtubeとニコニコ動画でサイエンスカフェの録画を公開しているのですが、動画ではお見せできなかった「ちきゅう」本船とのビデオ通話の部分と、録画失敗していた部分を補完するエントリです。

Youtube再生リスト
http://www.youtube.com/view_play_list?p=86502585299E87F3

ニコニコ動画
前編 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm12329283
後編 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm12616585

【注意】これは9月25日時点でのお話です。つまり「ちきゅう」がまだ沖縄トラフ掘削の最中。その点を理解した上でお読みください。

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■「ちきゅう」船内とのビデオ通話
JAMSTECの吉澤さんがQ & Aに答えてくださいました。

─ずばり、今なにをしていますか?
掘削をして、サンプルを取り終わったところです。熱水まで到達して、ケーシングパイプ(※)に蓋をするということを先程やりました。無人探査機(水中ロボット)を使って、直径1mくらいの蓋を深海まで持って行って、さっき見事蓋をしたところです。航海が残り10日あるんですが、まだ調査していないところがあるので、これからそっちに向けて移動する準備をしています。 

※掘削孔が崩れないように保護するパイプ 

─そこ(Skypeのカメラに映っている場所)はどこですか?
この部屋は「カンパニーオフィス(※)」といって、船のこれからの行動を決める司令室のようなところです。JAMSTECのメンバーはこの部屋で、次の行動をどうするかとか、問題が起きたらどう対処するかを話し合います。

※石油掘削からの慣習で使われる用語。石油掘削を監督する企業をカンパニー、その企業に雇われて掘削を行う業者をコントラクターと呼ぶ。この場合、カンパニーとはJAMSTECを指す。乗り込んだ世界中の研究者たちが「コントラクター」だろうか。

─船の住み心地はどうですか?
特に辛いと思ったことは今のところ無いです。ちょっと食事は飽きてきましたけど。この船は禁酒なので、そろそろシュワシュワっとしたものが欲しいといえば欲しいです。

─今の外の様子は。
天気は良いですが、ちょっと波が激しいです。9月には台風が3個4個この海域を通るという統計が出ているんですが、今回の航海の主席研究者の高井先生がすごく運が良いらしくて、未だ台風の直撃には遭っていません。 

─インターネットはどうしていますか。
衛星経由の通信を使っています。船から、商用の通信衛星を経由して、インターネットに入っていると。ただ、Skypeが今ギリギリ見えてるかな、という速度です。今は南極でも光ケーブルが入ってるらしいですけど、とてもとても海の上ではそんなことはできないですね。後は、天候によって、嵐が来たりすると、衛星との通信状況が悪くなるので、テキストメールを送るのが精一杯みたいな時もあります。
民間の衛星を使っていて、シンガポールの地上局を経由してるんですよ。それが一番安い。VSATというシステムなんですね。


─JAXAの高速通信衛星「きずな」などは使わない?
JAXAさんとは実は今も話をしています。「ちきゅう」でもやろうという話はある。ただ、この船いくら定点保持を出来ると言っても、ころころ向きを変えるんですよね。その辺がうまくクリアー出来れば、夢のブロードバンドも来るんじゃないかと期待しているんですけど。

─様々の国の研究者が乗っていると思いますが、一番困ったことは?
船内で、公式に話すときは英語で話すのですね。でも、英語がネイティブな方はそんなに多くないので、例えばフランスの方と話すときは、お互いウーンとか唸りながら会話したり。まあ、それほど困ってないですよ。皆仲良く、卓球大会したりしてます。

─「ちきゅう」から見る星空はどうですか?
「ちきゅう」は眠らない船で、夜もデリックには明かりが灯りっぱなしなので、実はあまり星をじっくり見られない。

■録画失敗していた箇所
ファシリテーターから倉本さんへの質問

─「ちきゅう」の測位はどうしてますか?
「ちきゅう」は自分の位置を知るのに、GPS衛星、地上の基準局からの電波、海中に下ろした音波発生装置、の三つを利用している。

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今回のサイエンスカフェの主催は「顔が見えるサイエンステール」のカンガルーさんです。素敵な機会をどうもありがとうございました。
また、講師を引き受けてくださった倉本真一さんにもこの場でお礼を。ありがとうございました。